「毒の回った体で、やたら元気に動き回るからじゃ」

「うぅっ・・・」

「やめいっ。こんな所で吐いたら承知せんぞ」

「ううぅ~・・・」


何を言われても、うぅ、しか出てこない自分が情けない。


しかもまた門川君に負担をかけている。

仲間の負担になってる。

・・・情けない。


本当に、あたしはなんて情けない人間なんだろう・・・。


痛みと眩暈と情けなさと悲しさで、涙が浮かぶ。

そんなあたしのお腹の上に、ぽんっと紙包みが飛んできた。


? これ、なに?


「解毒薬だ」

「・・・秋風?」


秋風も、いつの間にか泣き止んでいた。

こちらに背を向け、頭と肩をカクンと下げて座り込んでいる。


「ひとり分しか無いがな。お前が飲むのが良いだろう。一番ひ弱そうだ」


ぼそりと、とても小さな小さな声が聞こえた。