そして、あたしと門川君の側に来て、ぺたんと座り込む。

「こりゃ、いつまで寝転んどるつもりじゃ」

「絹糸・・・・・」

「さっさと起きよ。帰るぞ」

「・・・・・」

「もう永継はおらぬ。ここに用は無い」


あたしを抱え込んでいた門川君が、ゆっくりと体を起こした。


あたしは下から彼を見上げた。

彼の表情は、もう落ち着いているように見える。


でも・・・悲しげな目をしていた。


「ああ、絹糸の言う通りだ。もう兄上は・・・いない」


門川君は、あたしの体を両腕で抱き上げた。

眩暈と痛みで、あたしはうめき声を上げてしまった。

うぅ、痛いぃ・・・。


でも門川君だって、毒が回ってるはずだ。

しかも、あたしを抱えてる腕に。

無理したら大変な事になる。


「門川君、下ろして。自分で歩く」

「無茶を言うな」

「だって・・・うっ・・・」


なんだかまた吐き気がしてきた。

全身、熱い・・・。熱いのに寒気がする・・・。