手の中で刃物は鈍く光り どこまでも現実味は薄く それでも、意識だけは冴え冴えとして・・・ あたしは、真っ白な頭で、ひたすら秋風の心臓の位置を見ていた。 本能の奥底で沸き起こる畏怖。 生命 刃 血 終焉 罪 あぁ、今、ここで・・・ そして刃物を頭上に高々と掲げた。 ・・・・・。 さようなら・・・。