一応、探したほうがいいのかも。

でも探すにしたって、どこをどう探せばいいのやら。

「ねぇ、門川君・・・」



門川君は、呆然と立ちすくんでいた。

驚愕の表情を浮かべて、ピクリとも動かない。

呼吸する事すら忘れてしまっているようだった。


絹糸も、極限まで目を見開いている。

我を忘れた表情で。


そしてふたり同時に

「兄上・・・!」

「永継・・・!」


搾り出すような声で、そう叫んだ。


・・・・・。

・・・・・・・え?


兄上って、永継って、え??


あたしは部屋の中を見回した。

ふたりが、隠れたお兄さんを見つけたのかと思って。

でもやっぱり部屋の中には、誰もいない。


このミイラ以外には。


・・・・・。

まさか・・・・・。


あたしは、もう一度ふたりの視線をたどった。

ふたりの両目は・・・

間違いなくミイラを凝視していた。