抜け道? そんなのがあったの?
「わたくしの父が、永世様のために独断で作った抜け道ですわ」
「こんなものがあったとはのぉ・・・」
「門川に知らせると許可申請が面倒ですから、こっそり秘密で作りましたの」
秘密の抜け道か・・・。
絹糸も知らなかったんなら、きっと他の誰も知らないはず。
ここの出入り口はマークされてないって事だ。
気付かれずに入り込める。
「永久様、どうかご無事で・・・」
「ありがとう、岩さん」
「我が子よ、行ってくるからのぉ」
「にー、にー」
絹糸を抱えたしま子が、一番に降りる。
次に、門川君。
あたしは最後だ。
ハシゴをつかみ、足をかけ、ゆっくりと降り始める。
床と頭が同じラインになった時、お岩さんのドレスが目の前に見えた。
あたしは顔を上げた。
「これは命令よ、生きて帰ってらっしゃい」
「・・・・・」
「あなたとの決着は、まだ着いてなくってよ。いいわね?」
「・・・うん」
あたしは、ほんの少しだけ微笑んだ。
そしてハシゴを降りていった。
「わたくしの父が、永世様のために独断で作った抜け道ですわ」
「こんなものがあったとはのぉ・・・」
「門川に知らせると許可申請が面倒ですから、こっそり秘密で作りましたの」
秘密の抜け道か・・・。
絹糸も知らなかったんなら、きっと他の誰も知らないはず。
ここの出入り口はマークされてないって事だ。
気付かれずに入り込める。
「永久様、どうかご無事で・・・」
「ありがとう、岩さん」
「我が子よ、行ってくるからのぉ」
「にー、にー」
絹糸を抱えたしま子が、一番に降りる。
次に、門川君。
あたしは最後だ。
ハシゴをつかみ、足をかけ、ゆっくりと降り始める。
床と頭が同じラインになった時、お岩さんのドレスが目の前に見えた。
あたしは顔を上げた。
「これは命令よ、生きて帰ってらっしゃい」
「・・・・・」
「あなたとの決着は、まだ着いてなくってよ。いいわね?」
「・・・うん」
あたしは、ほんの少しだけ微笑んだ。
そしてハシゴを降りていった。


