神様修行はじめます! 其の二

その笑顔を見ながら、あたしの心はまた波立った。


無事に帰ってきた時に、あたしは・・・

今のように、笑っていられるのだろうか。


無事に帰って来られたら、みんなきっと喜んでくれるだろう。


その時、あたしは笑顔でいられるだろうか。

この両手が血に染まっていたら・・・


あたしはこの先、笑う事ができるのだろうか。


あたしの世界は変わってしまう。

もう二度と、元の自分には戻れない。

もう二度と・・・。



あたしはブンブンと頭を強く振った。


なに考えてるのっ!? いまさらっ!

グジグジと蒸し返すな!

自分で決めた事でしょう!?



「さて、そろそろ行くとするかのぉ」

「皆様、こちらへどうぞ」


セバスチャンさんが先導して、あたし達を案内してくれた。


農作業道具がいっぱい詰まった、物置小屋に。


床に、穴が開いている。

縄ハシゴが穴の中にぶら下がっていた。


「門川本家へ続く抜け道でございます」