歯を食いしばって、必死に耐えた。


泣くな! 泣くんじゃないってば!


でも、涙は流れ続ける。

唇が震える。

苦しくて・・・

心が押し潰されてしまいそうだった。


いっそこの苦しみを放り出してしまいたい!

この悲しみから開放されたい!

でも・・・


彼がこれから行くだろう、道。

両足から血を流して進むだろう、道。


その孤独な背中を思うと、胸が締め付けられるように痛んだ。


彼を置いて逃げ出したくない!

大切な、大好きな彼を・・・!!


だから・・・

泣いてる場合じゃないんだぞ! あたし!