腕をつかむ手に、力が込められる。
「何が『他人が口出しするな』だ。君にそんな事を言う権利はない!」
あたしは無言で彼の手を振りほどいた。
そして、かれの和服の胸ぐらをつかむ。
グイッ!と思い切り引っ張った。
「・・・っ!」
彼は前のめりになり、なんとか倒れないように踏ん張った。
彼の目とあたしの目が、ぶつかりそうなほど近づいた。
「誰に向かって言ってんの・・・?」
「・・・・・」
「あたしの頭をイジッて大切な宝物を消し去ったそっちこそ、そんな権利ないのよ」
「・・・・・」
彼を睨みつけて、ギリッと握っていた胸ぐらを離した。
そのまま彼を無視して歩き出す。
部屋の出口へ向かって一直線に。
無視しながらも、あたしは・・・
彼の存在と視線を、痛いほどに背中に感じていた。
そして思った。
あぁ・・・またこれで・・・
彼との距離が遠ざかったなぁ・・・。
「何が『他人が口出しするな』だ。君にそんな事を言う権利はない!」
あたしは無言で彼の手を振りほどいた。
そして、かれの和服の胸ぐらをつかむ。
グイッ!と思い切り引っ張った。
「・・・っ!」
彼は前のめりになり、なんとか倒れないように踏ん張った。
彼の目とあたしの目が、ぶつかりそうなほど近づいた。
「誰に向かって言ってんの・・・?」
「・・・・・」
「あたしの頭をイジッて大切な宝物を消し去ったそっちこそ、そんな権利ないのよ」
「・・・・・」
彼を睨みつけて、ギリッと握っていた胸ぐらを離した。
そのまま彼を無視して歩き出す。
部屋の出口へ向かって一直線に。
無視しながらも、あたしは・・・
彼の存在と視線を、痛いほどに背中に感じていた。
そして思った。
あぁ・・・またこれで・・・
彼との距離が遠ざかったなぁ・・・。


