お岩さんが叫んだ。


「あなた、まだそんな事を・・・!」

「お岩さん、ちょっと黙っててくんない?」

「ジュエルですわっ!」

「ジュエルでも岩でも隕石でもいいから、黙ってて」

「な・・・・・!?」

「あたし、門川君と話してるの」


お岩さんは、まだ何かを言おうとして・・・黙った。


あたしの、彼を見つめる強い視線に気おされたように。


彼も強い視線であたしを見返した。

強く、冷徹な瞳で。


そして、氷の言葉を放つ。


「君こそ、その恥知らずな口を閉じたまえ」

「・・・・・」

「何度言ったら理解できる? 君は部外者なんだよ」


メガネのブリッジ部分を指で押し上げ、やれやれと首を振る。


「半端者が、いったい僕の何に役立つと言うんだ?」

「・・・・・」

「逆に、足手まといなんだよ。君は邪魔だ」

「・・・・・」

「それに君は・・・」

「門川君、なんか勘違いしてない?」


あたしは、彼の言葉をさえぎった。


「・・・・・え?」


門川君が、拍子抜けしたように聞き返す。