「わたくしも参りますわっ」

「ジュエル様、お待ちください」

「なんですの? セバスチャン」

「私どもは、ここに残った方が得策かと存じます」

「なにを言いますのっ!?」


お岩さんが、ちゃぶ台をドンッ!と叩いた。


ティーカップが派手に揺れて、紅茶がこぼれる。


「ふむ。その方が良かろうなぁ」

「ベルベットちゃんまで何を言いますの!?」

「我は絹糸じゃ。お前らはこの土地を守れ」

「でも・・・!」

「弱ったこの状況で再び襲われたら、今度こそ一族は壊滅じゃ」

「・・・・・」

「お前はここを守れ。よいな?」


お岩さんは辛そうな表情で門川君を見た。


門川君は穏やかな笑顔で、うなづいた。


「ぜひ、そうして欲しい」

「でも・・・それじゃ誰が永久様を守りますの?」

「僕の事なら心配いらな・・・」

「あたしが行く」


ちゃぶ台を挟んで、みんながあたしを見た。


「あたしが一緒に行く」