神様修行はじめます! 其の二

じー様と、永世おばあ様の・・・

ふたりの、思い出の梅干おにぎり。


「うっ・・・うぅー・・・」


胸に詰まって、あたしはまた泣いた。

こんな時に食べたのが、このおにぎりだなんて・・・。


「嬢ちゃん、現世から来たんだって?」

「うぅ・・・・・」


あたしは泣きながらコクンとうなづいた。


「そりゃ辛かろう。現世とこっちじゃ、全然違うからなぁ」

「・・・・・」


「牛が猿山の中に入って暮らそうとするようなもんだべ」

「・・・・・」


「見ただけじゃ分かんねぇ苦労があるべ?」


あたしは、コクンコクンと続けざまにうなづいた。

当主さんは、あたしの頭をよしよしとなでる。


「嬢ちゃんは、よーく頑張ってるぞ! オラには分かる!」


当主さん・・・。


優しい気持ちと言葉が、胸に染みて・・・。

ジリジリとうずく。


なぐさめられて嬉しいのか、それとも逆に辛いのか。


とにかく、やたらと胸が痛んでしかたなかった。