神様修行はじめます! 其の二

「ねぇ、絹糸」

「うむ?」

「この蝶ってなに?」

「おそらく、かつて門川の一族だった者じゃ」

「え? そうなの?」

「死んでまだ、そう日は経っておらぬようじゃの」


白い、淡く優しい光りを見る。


「小娘の、永久を想う気持ちに惹かれたのじゃろう」


「・・・・・」


「生前この者は、永久を心配していたようじゃのぉ」



門川君を心配して?

そんな人が、いてくれたの?


門川は、彼を利用しようとする人達ばかりかと思ってた。


鬼ババのひどい仕打ちに、心を痛めていた人もいたんだ。


陰で心配してくれてる人もいたんだね。


うわぁ・・・嬉しいな。


あたしの心はじんわりと温かくなった。


「ありがとう、チョウチョさん」


お名前、分かんないからそう呼ぶしかないけど。


あなたみたいな人がいてくれて嬉しい。


門川君もきっと喜ぶよ。


ひらひらと、あたしに応えるように優しく舞うチョウチョさん。