あたしは、ずっと別棟の屋敷の中にいた。

みんなの側には行けなかった。


ひとりで・・・屋敷の中を意味もなく歩いていた。


他に何もできなかったから。

手伝わなきゃって気持ちは、もちろんあったけど。


今さらどんな顔をして、皆を手伝えばいいのか分からなかった。


また「部外者」って指差されるのが怖かった。


もう、どうすればいいか分からなくて。


結局、どうする事もないまま。

またあたしは何もできなかった。



廊下をトボトボ歩いていると、何かが聞こえてきた。


人の声・・・?

誰か怪我した人が苦しんでるのかな?


先の方の部屋から、人の話し声のような音が聞こえる。


誰だろう・・・?