神様修行はじめます! 其の二

お岩さんは、門川君の側に駆け寄った。


そして彼の隣で仁王立ちになり、叫び続ける。


「よくもまあ『奥方とお兄さんを倒すべき』だなんて言えるわね!」


髪振り乱して、こぶしを握り締め、お岩さんはあたしに叫んだ。


「永久様を殺そうとした相手を、自分は助けようとしたくせに!」

「・・・・・」


「自分が人殺しになるのが嫌なばっかりに!」

「・・・・・」


「戦った事の無いあたしやセバスチャンでも持てた覚悟なのに、あんたは持てなかった!」


立ち尽くしたまま、何ひとつ言い返せないあたしに、お岩さんは最後に言い放った。



「永久様の言う通りだわ! しょせんあんたは部外者なのよ!

綺麗な場所から、綺麗な事をしゃべって・・・

それで何かを成し遂げたつもりになって満足しているだけなのよ!!!」