神様修行はじめます! 其の二

あたしの脳裏に、記憶が甦る。

絹糸にノドを噛み切られた刺客の姿。

その命の終焉。


花に飲み込まれる断末魔の悲鳴。

命にすがり付こうとする人間の叫び。

その絶叫。


あたしは・・・・・


気付いた時にはもう窓に向かって走っていた。


そして夢中で、焼け残っていたカーテンを引き千切る。


それを持って男の元へ駆け寄った。


「天内さんっ!?」


お岩さんの声を聞きながら、あたしはカーテンで男の体を包んだ。


だって・・・だって・・・!

死にかけてる人間が、救いを求めてるのに!


まだ生きてるのに!

目の前にいて、助ける事ができるのに!


見て見ぬ振りをして見殺しにするなんて・・・

このまま黙って死ぬのを見ているなんて・・・


あたしにはできないよっ!!


カーテンの上から、両手で全身をバンバン叩いた。


熱っ・・・あつっ!!

手、焼けるぅっ!!