神様修行はじめます! 其の二


・・・・・!


あたしは反射的に、男の懐に飛び込んだ。

男の手首とわきの下をつかむ。


相手のスピードと勢いを利用し、弧を描くように放り投げた。


男はドサリと床に落ち、転がった。


そして、まだ勢いの残っていた炎の中に、運悪く突っ込んでしまった。


あっと思った瞬間、男の体に火が燃え移る。


その火は瞬く間に全身に移り、覆い尽くした。


「うわあぁぁ・・・っ!!」


赤い炎に舐め尽され、男は絶叫する。

死に物狂いで床を転がった。


でも炎は、まったく消える様子が無い。


「助けて・・・助けてくれえぇぇ!!」


嗅いだ事の無い、嫌な匂いがしてきた。

断末魔の悲鳴。

暴れもがく両の手足。


男の目が、あたしを見た。

そして右手を伸ばし、救いを求めてきた。

あたしに。