神様修行はじめます! 其の二

順番に開いていく花弁。


耳を押さえたくなるような悲鳴。


そしてそれに飲み込まれる人間たち。


一人残らず刺客達は飲み込まれてしまった。


つぼみの中から、篭もった悲鳴がかすかに響いてくる。


「養分くらいにはなるだろうさ」


セバスチャンさんがニヤリと笑った。


セバスチャンさんて・・・


すごくカッコイイけど、壮絶だ。


刺客達を何のためらいもなく、全員・・・。


敵とはいえ人間の命を前にしての、ここまでの素早い決断と迷いのない実行。


これで本当に、今まで戦いを経験した事がないの?


あたしはゴクリとツバを飲み込み、圧倒されながら目の前の光景を眺めた。


つぼみやツタ達が、ゆっくりと地中に戻っていく。


あたしは、すごく複雑で微妙な気持ちだった。


確かにヒドイ連中だったけど・・・。


やらなければ、権田原一族が大変な目に遭わされるんだけど・・・。


それを理解していても、なお、複雑な感情を押さえきれない。


どうしても胸が痛んでしまう。

罪悪感を感じてしまう。


人間が死ぬという事実に。

人の命を、奪うという行為に。