門川君は振動に耐えながら、懸命に消火のための術を発動し続けていた。


あぁ! 彼の体にガレキが落ちてくる!


「門川君っ!!」


あたしは、とっさに彼に覆い被さって自分の体を盾にした。


お岩さんも彼に覆い被さる。


「ふたり共、僕に構わず自分の身を守れ!」

「「そんなの嫌っ!!」」


あたしとお岩さんは同時に叫んだ。


あたし達のすぐ横を、ツタが弾丸のような勢いで飛び交っている!


あ、あれにぶつかったら大変な事に・・・。


セバスチャンさん!


敵を攻撃するのはいいけど、あたし達まで攻撃してどうすんの!?


お願い! 冷静になって!


「セバスチャンさん―――っ!!」


セバスチャンさんは、荒々しい微笑を浮かべている。


刺し貫くような視線を刺客達に浴びせながら。


この喧騒の中、ビクともせずに立っている。


彼の美貌は凄絶さを増し、思わず惹き込まれるほどだ。

でも、でも・・・


今は元のセバスチャンさんに、ちょっと戻って欲しいかも!