神様修行はじめます! 其の二

叫びながら・・・あたしも涙を流していた。


だからと言って、あたしに何ができる?


権田原の一族全員を人質にとられて、何ができる?


太刀打ちが、できない。

どうする事もできない。


過去の絹糸の気持ちが、痛いほど分かる。


どんなに悔しかったろう。

どんなに辛かったろう。

どんなに悲しかったろう。


限りなく残酷な状況に追い込まれて、選ぶ道はひとつしかない・・・!!!


門川君は、かすかに微笑んでいた。


とても言葉では言い表せない、その複雑な微笑。


彼は自分の状況を、全部受け入れる覚悟ができたんだ。


自分の・・・死を。


「門川君・・・」


悔しくて悔しくて悔しくて。

両目が涙でぼやける。


門川君、あなた一人を行かせはしない!

あたしも一緒に行くから。

あたしが、ずっと一緒だから!


門川君が立ち上がりかけた。

その時・・・


「お待ちください。永久様」