これは、『死んで』いるんだ。

この人は死んだんだ。

この人は死んだ。


死んでいる。死んでいる。死んで・・・


「小娘っ!!」

「あ・・・・あ、うん!」

「呆けている時ではないぞ!」


あたしは、やっと正気に返った。


そうだ、門川君!

門川君を探して助けなきゃっ!


ここの他にも刺客達がいて、彼を探しているかもしれない!

ビビッてる場合じゃないっ!!



「あやつらは我に任せよ! お前は永久を探せ!」

「でも、絹糸ひとりじゃ・・・!」


絹糸は変化できる時間が限られている。

それに対して、刺客の数が多すぎる。

相手は、全員が門川の優れた刺客達だ。


「小娘に心配されるほど、落ちぶれてはおらぬわ!」

「絹糸・・・」

「行けっ! 永久を守れっ!」


・・・・・・・・・・・・。


「うんっ!!」


あたしは走り出した。

背後で、絹糸の咆哮が聞こえた。

そして耳をつんざく雷鳴が響き渡る。


絹糸、負けないで!

どうか死なないで・・・!!