神様修行はじめます! 其の二

「護身術は、しょせん身を守るためのものにしかすぎない」

「うぅ・・・・・」

「人を殺す事はできないのだ」


ギュウギュウと凄まじい力で締め付けてくる。


躊躇もためらいも、一切無い。


最短の時間と手間であたしを殺すつもりだ。


必死に暴れても、足で刺客の体を蹴っても、無駄だった。


ビクともせずに、淡々と首を絞め続ける。


ノドが・・・ノドが潰れる!!

痛い! 痛い!!


空気も血液も、締め付けられて頭にのぼる。


頭が痛くて熱いっ!

苦しいぃ・・・!!



刺客の表情は、完璧な無表情だった。


自分が絞め殺そうとしている者の、苦悶の姿を目の前にして。


つまらないテレビ番組でも見ているかのように。


眉ひとつ動かさず、まばたきひとつしない。


あたしの命を奪おうとしていながら。

それに対して何の感情も、無い。


これが・・・殺し慣れている者。