神様修行はじめます! 其の二

絹糸の声を背中に聞きながら、あたしは突っ走った。

目にした屋敷の中は・・・


凄惨のひと言だった。


壁、床、家財道具。

それらを舐めるように包み込む炎。

喜び勇んで、音をたてて広がっていく。


熱によって崩れていく全て。

朱と赤と熱の圧倒的な侵略。

そして・・・


血に染まり、倒れている大勢の人々。


みんな宴会に来ていた人達だ。

ついさっきまで、楽しい時間を過ごしていた人達。


それがこんなヒドイ目に・・・。


ごほごほと煙にむせる。

目に染みて涙が流れてきた。

苦しい、ノドが・・・!


えぇっと、こんな時はどうするんだっけ!?

そうだ、布で鼻と口を覆って、姿勢を低くする!


あたしは身をかがめて前進した。