神様修行はじめます! 其の二

屋敷を包み込んでいた業火が、瞬時に消え去った。


門川君・・・門川君だ!

門川君が火を消してくれたんだ!

という事は、彼は無事なんだ!


あぁ、よかった・・・!


そう安心した、その時・・・・・


― ゴオォォォ・・・ッ!!! ―


瞬く間に、屋敷が再び轟音と炎に包まれた。


なんで!? 消したのに!

どうしてまた火が!?


炎に挑むかのように、また冷気が周囲に充満し始めた。


屋敷を包む炎の勢いが一気に弱まる。

でも炎の全てを消すまでには至らない。


炎の熱気と鋭い冷気。

ふたつの相反する勢いが、拮抗し、せめぎあっている。


「永久が屋敷の中で術を発動しておる!」

「門川君・・・!」

「門川の刺客が中に入り込んでおる! 発動中の無防備なところを襲われたら・・・」


あたしの全身から血の気が引いた。


か・・・

門川君―――っ!!


声にならない悲鳴を上げて、あたしは玄関から中に飛び込んだ!


「しま子よ! 我が子を守ってくれ! 頼んだぞ!」

「うがあぁっ!」

「まて小娘! 一人で行くでない!」