おびただしい血っ!?

いったい何が!?


屋敷の方角の空が、うっすらと明るい。


どうして? 夜明けにはまだ間があるのに。

・・・まさか!?



屋敷が見える距離まで近づいた時、はっきりとそれは見えた。


音をたてて燃え上がる、権田原の屋敷全体が。


朱と赤と黒に染まる建物。

狂ったように暴れる業火。


一瞬、呆然とその場に立ちすくむ。

あまりの衝撃に頭が真っ白になってしまった。


火事? そんな・・・!


ふと、屋敷の正面玄関付近に何かを見つけた。

あれは?


・・・人だ! 人間だ!

誰かが倒れているっ!

助けなきゃ!


バチバチと炎が踊る音の中、夢中で駆け寄った。

近づくと熱気が襲い掛かってくる。

火の粉が降りかかってきた。