屋敷から飛び出し、庭を走り抜ける。

メチャクチャに、とにかく走った。

ひたすら走り続けた。


無我夢中で、もう、自分でも走る事を止められなかった。


息が続かなくなって、体力が続かなくなって、やっと止まった。


ゼエゼエと息が切れて、汗がドォっと吹き出てくる。


田んぼのあぜ道に、しゃがみ込む。


そして・・・


ヒザを抱えて、大声を上げて泣いた。



・・・いやだ。

もういやだもういやだもういやだ。


もう嫌だ―――っ!!!



草を引き千切り、石を手当たり次第に投げつけた。

そしてギャアギャアと泣き叫んだ。


そんなにあたしが足手まといっ!?

そんなにあたしが嫌いっ!?

そんなにあたしが邪魔っ!?


そこまでするくらい、あたしの事が憎いの!?


もうこんな思いをするのは嫌だ!

もうごめんだ!

傷つけられ、苦しめられるのは、もう嫌だ!!