門川君・・・。

その気持ちも分かる。


門川で、唯一自分を守ってくれた永世おばあ様。

自分を愛してくれたおばあ様。


そのおばあ様が、懸命に守り続けた門川一族。

だから彼も心底守りたいんだ。



永継派と永久派。

あんな大きな組織が、真っ二つに割れて本気で争い合ったら・・・。

本当に存亡の危機だ。


長い長い間、第一子相続で安泰だった一族。

なのに弟が兄を力ずくで倒し、当主の座につく。

どんな影響が、門川に現れるのか・・・。


今後の相続にも、争いが起き続ける事になるかもしれない。

自分のせいで。


そんな事には・・・したくないんだと思う。


分かる。よく分かるんだ。

分かるけど・・・。


「門川君」


あたしは小さな、でもハッキリした声で言った。


「奥方とお兄さんを、倒すべきだとあたしも思う」