セバスチャンさんは、野菜を片付けながら話し続ける。


「わたくしめも、以前はずいぶんと傷つき苦しみましたので」

「・・・・・」


「それでも今、こうしてジュエル様に図太く仕えております」

「・・・・・」


「こういった未来もあると、先を信じてみてはいかがでしょうか」

「・・・・・」


「ちなみに、これは独り言でございます。お気になさいませんように」


そしてスッと立ち上がり、うやうやしく一礼した。

「さぁ、ご一緒に」



セバスチャンさん・・・。


「・・・はい」


あたしはゆっくり立ち上がる。

そして、なんとか一歩を踏み出した。