セバスチャンさんとお岩さんには、長い絆がある。

その絆で、乗り越えられるものがある。

でも門川君とあたしには・・・。


自信を持って積み重ねたと言えるものが

それほどの長い絆が

まだ何も無いに等しい。


彼があたしに対して放った言葉。仕打ち。

それは、あまりにも・・・。

あまりにも・・・・・。



「そろそろ晩餐のお時間ですね」

「・・・・・」

「会場までご案内致します」

「・・・・・」

「さぁ、ご一緒に」

「・・・・・」

「わたくしめも一緒でしたので」

「・・・・・?」


・・・え?

ヒザを抱えてうずくまっていた顔を、あたしは上げた。