絹糸に甘えて、離れない子猫。


言われてみれば、目の金色が似てる!

てか、似てるのそこだけなんだけど!


か、可愛い! ホントに可愛い!

絹糸の子が、こんなに可愛い子猫だなんて!


思わず見惚れるあたしに、お岩さんが自慢げに言った。


「わたくしの可愛いパールちゃんですわ」

「そんな名でもないし、お前のでもないわ!」


絹糸が、またまたお岩さんに食って掛かる。


「我の子に、おかしな名をつけるでない!」

「んまぁ! ピッタリの名ですわっ!」

「絶対に、拒絶するわい!」

「ベルベットちゃんは頑固ですわっ」

「だから、その名で呼ぶでないっ!」


ぎゃーぎゃーと向かい合って騒ぐ二人。


その二人から離れて、子猫は、トコトコ歩き出した。


門川君の枕元に来て、ふんふんと匂いをかぐ仕草をする。


「パール様」

「にー?」

「永久様を、お願いできますか?」


執事さんが、優しく子猫に語りかけた。


「・・・・・」


子猫が小首をかしげ、門川君の額に顔を近づける。