「それではしま子、頼むぞ」
「うあぁ」
しま子が門川君を背負い、歩き出した。
あたしも絹糸を抱いて歩き出す。
川沿いを皆、無言で歩いた。
さらさらと流れる水の音。
澄んだ虫の音色が響く。
蛍のような光る何かが、空をいくつも舞って明かりを灯していた。
穏やかな夜の景色の中、逃げ延びようと、ひたすらに急ぐあたし達。
門川君、大丈夫だろうか。
ぐったりとしてしまっている。
また意識を失っているのかもしれない。
どうしよう。
間に合わずに、このまま彼に、もしもの事があったら・・・!
一刻も早く行かなくちゃ!
一刻も早く!
その・・・
あたしの足は、無意識に遅れた。
その・・・
婚約者のいる所へ
彼を連れて行かなくちゃ・・・。
「うあぁ」
しま子が門川君を背負い、歩き出した。
あたしも絹糸を抱いて歩き出す。
川沿いを皆、無言で歩いた。
さらさらと流れる水の音。
澄んだ虫の音色が響く。
蛍のような光る何かが、空をいくつも舞って明かりを灯していた。
穏やかな夜の景色の中、逃げ延びようと、ひたすらに急ぐあたし達。
門川君、大丈夫だろうか。
ぐったりとしてしまっている。
また意識を失っているのかもしれない。
どうしよう。
間に合わずに、このまま彼に、もしもの事があったら・・・!
一刻も早く行かなくちゃ!
一刻も早く!
その・・・
あたしの足は、無意識に遅れた。
その・・・
婚約者のいる所へ
彼を連れて行かなくちゃ・・・。


