あたしは視線をあちこち泳がせ、言い訳の言葉を探した。


何を言おう。

何を話せばいいんだろう。


「あたし、あの、その・・・」

「うっ・・・」


門川君が、突然体を折り曲げて、その場に吐いた。


「永久っ!」

「門川君っ!?」


真っ青な顔で、苦しそうに顔を歪めている。

息が荒い。

相当に苦しそうだ。


ニ、三度続けて吐き、ヒザをついて倒れてしまった。


「これはいかんのぉ・・・」

「絹糸、どうしよう!」

「しま子、永久をおぶって歩け」

「どこに行くの?」

「この近くに、門川の遠縁が住んでおる」


遠縁? 門川の?

大丈夫なのっ?

見つかった途端、捕まえられて奥方に差し出されでもしたら・・・。