でも次の瞬間ツキは、ふらりと倒れた。
目の炎も、髪ももとに戻っていた。
白猫はほっとしたように呟いた。
『そうよね…』
ツキは倒れたまま、白猫を見ていた。
何を言ってるんだろう…?
この白猫は何を恐れて…?
白猫は興味をなくしたように、ウルーを抑えていた猫たちに声をかけた。
『もっと強く押さえなさい。少し、邪魔が入りましたが、所詮、何もありません』
白猫がウルーに歩みよる。
しかし、またもや白猫は驚き、止まる。
『どうしたんだ?』
それはウルーの声だった。
しかし、ウルーの目は、さっきよりも鋭く、黒だった瞳は赤褐色になっていた。
そしてウルーは首だけをツキのほうに向けて言った。
『ツキ、ありがとな』
「…?」
ツキが何?と聞こうとする前に、ウルーは壊れた天井から見えた満月を見上げた。
そしてー…
『まさか…!?お前たち、は、離れなさい!!』
白猫が急に叫んだ。
ウルーを押さえていた猫たちは、背中の毛を逆立てて四方八方に飛びのいた。

