「俺は、ツキが構わないのなら
ここに居ようと思うが」


ウルーはさらりとそう言うと
首を傾げた。


「…ダメか?」


ツキはふるふると首を振った。


嬉しかったし、
もちろん居てほしい。


「ダメじゃないよ、ありがとう」


ツキはニコっと笑うと
アルに視線を向けた。


ウルーもツキと同じく
アルに目線を移す。


アルは空を見上げていた。



でもしばらくすると
目だけをこちらに向けて
アルはぽつりと言った。




「…私が居なくなったら、
寂しい、ですか…?」



アルは視線を真剣にこちらに
向けた。


その瞳には不安が広がっている。



「私はツキさんを以前、
殺そうとしたし、町の人達に
知られたらきっと…」



そこまで言ってアルは口をつぐんだ。




小柄なアルの体は少し震えていた。



「…寂しいよ、私は」


ツキはぽつりと呟いた。


アルが少し視線を向ける。



「私はアルちゃんが大好きだし
ずっとずっとウルーと私と
アルちゃんの三人で居たいよ?」



ツキはそう言って笑い、
更に付け加えた。



「それに、私の命も
救ってくれたよ?」



アルは目元を擦って頷いた。



「ぐすっ…ありがとう、…」


泣き出したアルの傍により
なだめながらツキはウルーを見た。



ウルーも嬉しそうに
微笑んでいた。






しばらくして、合図の鐘の音がなった。