夏の日差しと狼のいろ。


サンドルが、チッと舌打ちするのが
耳に届いたが

ツキは決してサンドルの
ほうを向かなかった。


また金縛りをされたら困る。



「私あれから溺れて流されていって
…それから、あの人に助けて
もらって…」




ツキは一旦、言葉を切った。



「いい人だと思ったら、違ったの。
…あの人も狼で…それから…」



ツキは口ごもった。


言いたくない。


キスされて薬を飲まされたなんて。


ツキは途端に悲しいような
悔しいような気分になり

感情の波が押し寄せてくる感じがした。




「…ツ、ツキさん!?」



不意にアルが
びっくりした声をあげた。



それでツキは
ようやく自分が泣いているのが
わかった。