夏の日差しと狼のいろ。

そう言ってサンドルが
苛立たってばっと扉を開き、

その直後サンドルの表情が
驚きのものに変わった。




「…よう、久しぶりじゃねぇか」



そして、そう声をかけた。


ツキの寝たままの位置からでは
扉の向こうが見えない。


動こうにも
体はまだ熱く痺れ、無理そうだ。



しばらく沈黙が訪れ、
やっと誰かが沈黙を破った。



「サンドル…か?」



その声を聞いた瞬間、
ツキは安心し、喜びで震えた。



声の主はウルーだ!


助けに来てくれたんだ、と
ツキは体は苦しかったが

とても嬉しい気持ちになった。




「そう、サンドルだ
よく覚えてやがったな?まぁ入れよ」


サンドルはそう言うと
さっとウルーを通した。



…てっきり、ウルーは
追い出されてしまうのかと
思っていた。



扉が閉まる音がし、
ウルーとサンドルが部屋に入ってきた。




「ツキ!!」


ウルーはツキの姿を見つけるなり
ほっとした表情をして
ツキの横たわるベッドに

駆け寄った。



安堵のあまり、
ツキの様子がいつもと
違うのにはあまり気がついていない。




「…ウ…ルー…」


ツキは途切れ途切れに
ウルーを呼んだ。



すると、ウルーの肩から
アルがひょっこり顔を出した。



「ツキさん!
無事でよかったです!」


そのままツキの横に着地すると
ゴロゴロ喉を鳴らして
ツキに擦り寄った。




その間に、ウルーは向き直り
サンドルに話かけていた。




「サンドルが助けてくれたのか」

ウルーがそう言うと
サンドルは薄く笑って答えた。




「俺が助けたに決まってるだろうが
まったく、俺がいなかったら
この小娘はどうなっていたやら」




その言葉に
ツキはムッとした。


同時に嫌気がさして
悔しさが込み上げて、


体が震えるのを感じた。



「ツキさん?」


アルが傍で、心配そうにしている。