夏の日差しと狼のいろ。


アルside▼



ツキが川に流され、
アルは川沿いに進んでいた。


冷たい空気に、
息は吐くたびに白くなる。


寒いのが嫌いなアルは
基本、人の懐に潜り込むが

今はそれができない。



(ウルー様ったら…
さっきから全然喋りませんね…)



ウルーが落ち込み、
うなだれているからだ。


アルは狼ほどでないが
きく鼻を地面すれすれに
くっつけてツキのニオイをたどる。



ツキ達と出会ってからは
猫の姿になることが
あまりなかったので


アルは少し疲れ、

きちんと前足に尻尾を置き
座った。




「ウルー様?
ホントにちゃんと、探してますか?」



いつまでも
落ち込んでいるウルーに

アルは少しいらいらした。



「…悪い」


ウルーははっとして
アルを見下ろし


目を背けた。



謝っても意味がないのに。



アルは気持ちを沈めようと
胸の前の毛をさっと舐めた。



「じゃあ手伝ってください。
ツキさん、きっと待ってますよ?」


アルがぺたりと尻尾を
地面に叩きつけ言う。




「私の鼻より、ウルー様の
狼の鼻のほうがいいです」