「ん?ああー…テメェの、耳か?」
サンドルの瞳がきらりと
何か告げるように光った気がした。
ツキはさらに警戒し、
サンドルを睨みつけた。
しかしそんなツキをよそに
サンドルはまたふっと笑った。
「安心しな、俺もー…」
「!?」
サンドルの頭の上に、
見慣れた三角形の耳が
ぴょっこり現れた。
「狼、だからよ」
「え、えええ!?」
ツキは驚いて目を見開いた。
驚きすぎて、
自分の耳も出てしまうくらいに。
サンドルはファサリと
立派な黒い尻尾を揺らし、
にやりと笑った。
「まったくお前は面白い奴だ、小娘」
ツキはようやく緊張をといて
へなへなとへたりこんだのだった。

