夏の日差しと狼のいろ。


「きゃ!」


ツキは転がり、悲鳴をあげた。

それを見てサンドルが
クスクス笑う。


「どうした、小娘?」



ツキは体を起こすと
ムッとサンドルを睨んだ。


…さっきから馬鹿にして!



「もう!馬鹿にしないで!
急に出てこないで!」




さっきまで敬語だったのも
思わず忘れて
ツキは唸るように言った。



急にそんなことを言われ、
サンドルは片方の目つきの悪い目を

見開きぽかんとしている。



ツキはぷいと顔を背けると
人の家だということも
考えず、さっきのベッドに座り

そっぽを向いた。





「…クク…まったく
俺が怖くねぇのか」


呟くようにサンドルは
言葉を漏らし、


ツキに近寄った。



「悪ィな。俺の癖で、よ」



そう言うと
ツキの頭の上に手を置いた。



そこでツキはどきりとした。


ー…また、忘れてた。


ちゃんと警戒しなきゃ。




ツキはさっとその手を払い
頭を押さえた。


「…何か、企んでない?」