夏の日差しと狼のいろ。



「す…すいません…」


ツキが俯いて頷くと
男はまた面白そうに笑う。


「クク、へんな小娘だ…
ああ、そうだ」


男は何か気がついたように
呟いた。


ツキが首を傾げると
クイッと頭をあげ
男は言った。



「俺の名前はサンドルだ
よく、覚えとけ」


その悠々とした態度に
しばらくツキはぽかーんとしていたが

すぐにはっとして
頷いた。



そして体を起こし、
お辞儀しながら言った。


「あの…私はツキっていいます」


サンドルはただ頷き
何かをツキに投げる。


ふわりとそれはツキの
頭の上に着地した。


「…?」


ツキはそれを手にとった。



「早く風呂に入って
それでも着とけ、小娘」



そういってサンドルは
風呂だと思われる方向を指す。




ツキは大人しく
ぺたぺたと乾いた床の上を
ゆっくり歩き、



「お借りします」とだけ言い
風呂場のドアをぱたりと閉めた。