それから5年ほどたった。時間の流れは早いものだった。
ツキは17歳になり、茶色の髪は腰上までのび大人に近付いた。
相変わらず耳と尻尾は隠していた。
シルクに拾われた1週間後 病院から逃げ出した
ツキを探しに役人がやってきた。
「狼の耳をはやした小娘を見ていないか」 と。
シルクは
「知らないわ。何故?」と聞いた。
すると役人はこう答えたのだ。
「見せ物小屋から 逃げ出した小娘だったからな…
今日引き取りに来ると言っていたのに小娘が見付からんのだ。」
険しい顔だった。
ツキは机の下でローブをかぶって震えていた。
それからは
ツキはずっとローブをかぶっている。
これさえかぶっていれば、人間と同じように暮らせるのだ。

