夏の日差しと狼のいろ。


「んん…ぅ、ケホッ」

体が、冷たい。

夢から覚めても
体は冷たいままだった。


軽く咳込んで水を少し
吐き出す。





そしてツキはうっすら目を開いた。


「……?」


もう、水の中ではない。
ツキはそれがわかったが
体がしんから冷え切り、

体を動かせなかった。




ツキは、眠くなり
再び目をつむろうとした。


そのときー…



「!?」


ぬ、と誰かの顔が現れた。

ツキはびっくりして
その人物を見た。



琥珀色の瞳が
こちらを見つめている。


もう片方の瞳は、
眼帯を隠されていて見えない。



そして紫みのかかった、
黒い髪は、ツンツンとしていて

長くて後ろで束ねられている。




「…おい、小娘…死にてぇのか?」



低い、男の声が聞こえた。

ツキはびっくりして
固まったまま、

ゆっくり首を振る。



すると男は
さも可笑しそうに
ケタケタ笑った。





「…小娘、歩けるか?
そのままじゃ何れ、
凍死しちまうだろうよ」



ツキは再び、首を振る。



「何だ、小娘?
口はねぇのか? ん?」


言葉で返事しないツキに
男は意地悪そうに聞く。



ツキは慌てて
口をぱくぱくさせるが

上手く動かなかった。


思ったより、
体がうんと冷えてるみたい…。