それからツキは出されたスープをがつがつと飲んでいた。
すると女は「お腹空いてたのね」と笑って、次の質問をした。
「住まわせてあげるんだから 一通り事情、教えなよ?」
そう言った。
ツキは顔をあげてじっと女を見た。
悪い人ではなさそうだったからこくん、と頷いた。
すると女はにこりと微笑み、
「あたしはシルク。この町で生まれ育ったわ。アンタは?」と言った。
ツキは「私はツキ、です。砂漠の見せ物小屋で飼われて…て」
一瞬 口ごもった。
そして
「ウルーって人に助けられて…一緒に暮らしてたんだけど…私、毒蜘蛛にやられちゃって」
ツキは唇を噛んだ。
「そこから、覚えてない、です。」
唇を噛んだのは涙があふれそうだったから。
うつ向いたのは涙がこみあげてきたから。
シルクは真剣に聞いてくれていた。

