夏の日差しと狼のいろ。



ツキは心配そうに覗き込むウルーに
ふわりと微笑み答えた。

「うん、大丈夫だよ」


それに安心したかのように
狼だったウルーは人間の姿に戻る。


人間に戻っても
体の傷は消えないようで

ところどころ酷い切り傷があり
血が出ていた。


「ウルーこそ大丈夫?」

「ん…?ああ、これか」


ツキの質問に
ウルーは傷を見て、顔をしかめた。


そしてため息をつき
こちらを向く。

「俺は大丈夫だが…
色々迷惑かけたみたいだな…悪い」

申し訳なさそうに
ウルーは黒い瞳を揺らした。


こうしてウルーに
誤られるのは何度めだろう。


ツキは首を振り、また笑う。


「このとおり私は元気だし!
いいよ全然!ね?」

「ああ…」

身振りをつけて
笑うツキを見て、ウルーも

ようやくほっとしたように
いつもみたいな微笑を向けてくれた。




ツキはウルーに手を差し出すと
少し先の小屋を指した。


「あっちで皆まってるよ」