二人は大人しくこくりと頷いた。
そしてラルズが泣き縋るように
ツキの服のすそを掴んだ。
「僕らだけじゃ、どうしようも
なかったの…だから…
お願い、仇とってよぉ…」
ラルズの目は
赤い瞳の狼への怒りで燃えていた。
よっぽど憎いんだろうな、と思った。
その後話を聞いたところ
二人はなぜ狼に奇襲を受けていたのか、
父と狼に何があったのか…
何もわからなかったらしかった。
だからこそ
その理由が知りたくてでも力の加減も
できなくて森に入ってくる狼を
襲っては正体を確かめていたらしい。
ツキはひととおり話を聞くと
アルとウルーを治療し、
そっと寝かせておいた。
ウルーは狼のままで、
しかも体がボロボロだったので
ツキは心配でそわそわしていた。
双子達が薬などを
持ってきてくれたが
ツキは結局大きなウルーの
傍に縮こまると体を落ち着けた。
傍に、居てあげなきゃ。
とても大きなウルーの体は
運ぶことができないので
アルだけを双子達の小屋に
運んでもらっておいた。
ついでに
双子達にアルの世話はまかせた。
ツキはのぼってくる三日月を
見つめながら
ウルーの銀色の毛を撫でる。
目覚めたウルーは
もとに戻っているだろうか…

