夏の日差しと狼のいろ。



 「んぐっ」


 勢いでツキはごくごくと
 飲んでしまう。



 ふわり、と葡萄みたいな
 香りがしたから
 きっと葡萄のお酒なんだろう。



 「美味しいでしょ?」


 ミリシアは得意げに笑い、
 いつもの上品さなど

 かけらもなく違うお酒を
 ウルーにすすめにいった。



 「…ぅー…」


 頭がふわふわする。

 視界がふわりと輝いているみたいに

 よく見えない。




 お酒を飲んだのが
 初めてだったうえに、いっき飲み。



 お酒がまわってしまったのかも
 しれない。



 ツキはふらりと
 ベッドの端に座った。


 (ここでじっとしてよっと…)



 ふわふわ。


 頭が、ふわふわ。



 頭のはしが痺れるみたい。



 一人ぽーっとしていると
 横にイクアがきた。




 「おい…大丈夫かよ?
  顔真っ赤だぜ」


 とろんとしながら
 イクアのほうを見たら、

 イクアも少し頬が赤かった。




 「んぅ…大丈夫れす…」



 上手くまわらない滑舌も
 気にせず、笑って言う。



 「……」


 イクアはぐっと
 何か決意するような、


 そんな表情をした。



 そして、その顔が
 ゆっくりとこちらに近づく。



 あっという間に
 イクアの金髪が目の前で

 揺れていて、


 青い瞳がじっとこっちを見ていた。



 「な、なに…?」


 ツキは少し動揺して
 顔をひいた。



 するとイクアは
 ツキの顎を引き寄せ、

 真剣な顔で言う。



 「今は…さ
  ツキはウルーのことが
  好き、なのかもしんないけど」




 イクアがさらに、近づく。


 その距離、三センチ。



 「……っ!」


 次の瞬間、キスをされた。



 「俺は、ツキのこと好きだから」



 …唇ではなく、首に。