夏の日差しと狼のいろ。




 *




 あれから1時間。


 今、この部屋は
 パーティみたいになっていた。


 それはちょっと前のことだった。







 ̄ ̄ ̄ ̄



 「ツキちゃんたちは
  また旅立たなきゃね。

  だから、ちゃんと
  二人に
   ̄ ̄
  送別パーティをしましょ?」




 そう、鍵のことを
 上手くミリシアが話し、

 明後日には

 この町を出ることになった。


 次の目的地は、スリグ・シュリアという

 月兎族のナワバリ。


 イクア曰く、
 月兎族はほかの部族を

 毛嫌いしていて
 何人もの仲間が殺されてしまった、
 恐ろしい部族らしかった。



 そんな場所に行くのは、
 青い鍵がそこに

 あるに違いないから。



 ツキとウルーは
 決意して、行くことにしていた。

 ただ、一つ気になることが
 あった。


 それはミリシアが言った、
 "二人"の送別パーティという言葉。


 (アルちゃんは…?)



 そう思ったところで
 ハッと気づいた。


 この町こそが
 アルの故郷であり、


 ウルーを見つけたアルに
 もうついて来る理由は


 ないということに。



 でも、ミリシアが
 二人、と言った瞬間

 アルの耳がぴくりと動き、
 その横顔が

 寂しそうに見えたのは
 気のせいじゃない気がした。



 案の定、アルは
 「パーティなんて、参加しません」


 ぶっきらぼうにそう言い、

 思い切り出ていってしまった。



 「…?」


 ツキはとくに呼び止めもせず
 ちょっとしょんぼりしていたが

 次の話が始まる。



 「俺らはさ、リルと二人で
  先にミラ・レヴィラに戻ってるぜ」



 イクアが言うと
 リルも待ってるから、と言い

 頷いた。




  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



 そうしてパーティが始まった。

 

 …が。



 ミリシアははっちゃけて

 お酒なんかを大量に
 部屋に運び込んできた。



 「酒か?」

 ウルーはくんくんと
 匂いを嗅いでいて

 イクアなんかはいきなり

 飲み干して。


 リル以外は
 あっという間にお酒を飲みだした。



 「ミリシアさ…私、まだ未成年…」


 「私がいいといったら
  いいのよ!!」

 「むぐっ!や、やめてくらさ」



 最後までいい終わらないうちに

 すでに酔っている、
 ミリシアに口にお酒を流し込まれた。