「だから、何だ?
ツキが何であっても
俺には関係ないが?」
沈黙をやぶった、ウルーの声。
ツキは耳を疑い、
顔をあげた。
すこし目が涙ぐんで
しまっていたかもしれない。
でも、確かに言った。
"関係ない" と。
「ほんと…っ?」
ツキは震える声で聞いた。
ウルーはすぐに応えてくれる。
「ああ、ちなみな」
一旦、言葉を切り
ウルーは微笑した。
「雪狼と銀月狼は
お互い、争ったことはない」
体の力が、ふっとぬけた。
安心に震え、リルと
イクアの方を向くと、
二人とも笑顔でかえしてくれた。
「幸せそうなところ悪いですけど」
安心したのもつかの間、
また体に緊張が走る。
こえを発したのはアル。
「私も別に…ツキさんは
ツキさんなので。
でも、それなら危ないですね」
アルが鋭く唸るように
そう言った。
「…危ない?」
ツキはおそるおそる、
聞き返す。
バサリとローブをはらい
アルは立ち上がった。
「そこの子達がいちばん
よく知ってるはずですけど
聞いたらどうですか?
私は所詮…何も。」
びしり、と指さされたのは
リルとイクアだった。
アルはそのまま、
そっぽを向く。
その姿は
まるで拗ねてるみたいだった。
…本当に、
拗ねているのかもしれない。
「アルちゃんは、
私の大切な仲間だよ?
拗ねないで?」
ツキは悪戯っぽく笑い、
アルの頭を撫でた。
途端にアルはさらに
ぷいっとしてしまう。
…でも。
「す、すす、拗ねてませんっ
別にツキさんが
どうなっても私、
どーでもいいですし!」
そう言ったアルの頬は
赤かった。
「アルちゃん、可愛いんだからッ」
「かっ…可愛くありません!」
拗ねたアルちゃんは
ちょっと可愛いかったと
ツキはほんのりした。

