夏の日差しと狼のいろ。



 「はっくしゅん!」


 今朝の宿に着くなり
 ツキはくしゃみした。


 夏とはいえさすがに寒い。
 あんな長時間
 水につかってたんだから。


 「大丈夫か?
  少し顔色が悪い気がするが」

 「うん…大丈夫だよ…」


 ウルーは心配そうに
 タオルを渡してくれた。

 そのタオルを受け取り、
 体を軽く拭く。


 服が濡れているから
 拭いてもあまり
 意味がないのかもしれない。


 それを見かねてミリシアが言う。



 「ほんとに顔色悪いわね
  寒いんじゃないかしら?

  シャワーでも浴びれば
  温まるわ、きっと

  服は貸してあげるから」


 そして、
 ミリシアやアルの着ている、
 貴族っぽい服を渡してくれた。



 (逆に緊張するなぁ…
  こんなの着たことないよ)


 そうは思いつつも
 借りないわけにもいかないので
 ツキはそれを受け取り、

 立ち上がった。








 ー…頭がくらくらする…


 立ち上がった瞬間に
 立ちくらみがし、

 本格的に体調が悪いと思った。
 


 (早く温まって、寝なきゃ)


 ツキはふらふらと
 風呂場へ向かった。