ツキは、導かれるように
その光をたどった。
すると不意に頭の中に
声が響いてきた。
ー…主…
思い出…せ…
「え??誰なの?!
何を思い出したらいいの!?」
ツキは必死に叫ぶが
その答えは返ってこない。
ただ、暗闇の中に
声が響いただけだ。
結局ツキはどうしていいのか
わからずに座り込んだ。
ーこの空間は何なの!?
「……ッ」
座り込んだ瞬間、
頭に頭痛が走った。
頭の中で何かが騒いでるみたいに。
ぐらぐらする頭に、
何かの映像がフラッシュバックする。
"白い、狼
白き狼、主が行かねばー…"
そこに映ったのは
悲しい目をして今にも消えそうな
狼の姿だった。
一瞬にしてその映像が
消え去ると
ズキズキと痛む頭をおさえ、
ツキは立ち上がった。
あの狼は、
リルちゃんだ。
あれはきっと、悪い未来。
ツキは自分が行かなければ
リルが消えてしまうような
そんな気がして
怖くなった。

