夏の日差しと狼のいろ。





 波が速く、
 ゴンドラはどんどん流れた。


 「姫!大丈夫…!?」


 リルの心配そうな声が
 ゴンドラの上から聞こえる。

 でもツキは捕まるのに必死で
 しかも口を開くと
 水が入ってきそうで

 返事が出来なかった。


 (どうしよう…!)


 かろうじて周りを見渡すと
 町から遠く流されたのか
 別のゴンドラは居ない。


 助けを求めることが
 出来ないとわかり、
 絶望的になる。


 「…!!」

 遠くで雷が鳴り出し、
 嵐が来るのがわかった。


 雷が鳴り出してからすぐ
 みるみる辺りが
 薄暗くなっていく。


 リルもそれに気がつき、
 ガタガタとゴンドラの上の
 牢屋から 声をあげた。




 「姫!姫!」